本文へスキップします。

佐仁小学校 > オオゴマダラの飼育~その1~

ここから本文です。

更新日:2021年9月12日

オオゴマダラの飼育~その1~

平成15年6月21日にオオゴマダラが飛来し,長年植えてあった食草「ホウライカガミ」に産卵しました。それ以後,蝶の飼育に大変造詣が深い奥道子さんをはじめ,地域の方々の協力をいただきながら本校で飼育・観察活動を行っています。

飼育・観察の様子

朝,授業が始まる前。蝶小屋に座り込んで観察しています。幼虫が脱皮したようです。

みんなで観察

 

 大きくなってきた幼虫。でも,まだまだ食草ホウライカガミの葉をむしゃむしゃ食べています。このホウライカガミの栽培も大事な仕事です。(平成26年8月26日撮影)

 

オオゴマダラ幼虫

 ホウライカガミを食べる幼虫の様子です。

食べる幼虫

 

 

 朝方,蝶小屋をのぞいてみると,大きな幼虫が4匹も蛹(さなぎ)になろうとしていました。幼虫にとってどの場所で蛹になるかは,生死にかかわる問題です。幸い天候もよいのでうまく蛹になってくれると思います。(平成26年8月28日撮影)

 

蛹へ

 

 朝蛹になり始めたと思ったら,昼過ぎには立派に蛹になっていました。この変身ぶりはすごいです。この黄色い蛹がしばらくすると黄金色に変化していきます。(平成26年8月28日撮影)

蛹1

 

 昨日の黄色から金色に変化してきました。ただし,この金色に見えるのは構造色によるもので,たくさんある膜の層に光が反応しているために金色に見えるのだそうです。あと2~3週間は蛹で過ごします。無事に羽化してほしいものです。(平成26年8月29日撮影)

蛹2

 

 朝,蝶小屋をのぞいてみると,1頭羽化していました。蛹になって14日目。無事に成虫になれました。羽化はほとんど未明から早朝にかけて行われます。まもなく羽が乾いて羽ばたけることでしょう。(平成26年9月10日撮影)

成虫1

 下の写真のような赤い花を大変好みます。

赤い花

 すぐ近くの蛹(右)も色が変わってきています。中心に黒い筋が見えます。明日の朝には羽化することでしょう。(平成26年9月10日撮影)

もうすぐ羽化する蛹

 

 昨日に続いて,3頭が羽化していました。本校の早起きした職員が蝶小屋をのぞいてみたのですが,すでに羽が広がっていたそうです。やはり,まだ暗いうちに観察しないと羽化の瞬間は見られないようです。(平成26年9月11日撮影)

3頭の成虫

 下の写真は,3頭の中の1.のオオゴマダラのアップです。一生懸命,羽を開いたり閉じたりしていました。自由に飛び回るための大切な準備運動ですね。 

成虫頭アップ

 9月の3連休は天気が良く,羽化したオオゴマダラが蝶小屋の中で飛び回っていました。(平成26年9月14日撮影)

2頭の成虫

 とても仲が良い(?)オオゴマダラたち。オスメス関係なく群れて飛んでいる姿をよく見ます。大きな羽をゆったりと動かしひらひらと舞っているのを眺めていると時間が過ぎるのを忘れます。(平成26年9月15日撮影)

4頭の成虫

 

 花の蜜を熱心に吸うオオゴマダラ。特に午前10時頃と午後4時頃は,成虫も幼虫も活発に動き,食べるようです。(平成26年9月17日撮影)

赤い花と成虫

蜜を吸う成虫

 9月15日月曜日に蝶小屋に入ったK先生が,「オオゴマダラがホウライカガミに卵を産んでましたよ!」とおっしゃったのを思い出し,探してみると・・・すぐに見つかりました。

オオゴマダラの卵1

 まだ白く,大きさもほんの1,2mm。しかし,しっかりとホウライカガミにくっついています。

オオゴマダラの卵2

 

 9月24日水曜日。今週は雨が続いています。蝶小屋の天井は,防風ネットをかけているだけなので,雨も降ってきます。雨が降っているときは,てっきり雨宿りしているもの,と思いきや,雨に打たれて一生懸命蜜を吸うオオゴマダラたちでした。(写真ではわかりにくいですが,このときも雨がかなり降っていました。)

雨の中のオオゴマダラ1

 こちらも雨の中。カメラのレンズを向けると「ん?何か用?」とばかりにちらっとこちらを見ると,また蜜を吸いだしていました。

雨の中のオオゴマダラ2

 

 運動会翌日の9月29日。蝶小屋を覗いてみると,入口近くの地面で成虫が動かなくなっていました。羽化してから数か月が寿命なのですが,他に悪条件があったのか気がかりです。

 気を取り直して,卵の様子を見ようとしたら,なんと結構大きな幼虫としてそこにいました。

小さな幼虫

 大きくなった幼虫と色や模様はそっくりですが,とげとげは目立っています。写真の食草・ホウライカガミには毒があり,その毒を摂取することで外敵から身を守るそうです。 これからホウライカガミのつるをつたっておいしそうな葉っぱを探してどんどん食べていきます。

小さな幼虫2

 

 10月2日,今日は一日天気が良く,さわやかに風が吹いていました。

晴れた日の成虫

 幼虫もどんどん大きくなっています。

大きくなってきた幼虫

 

 10月3日。台風が奄美大島に接近しつつあり,暴風域に入る可能性が出てきました。

 「蝶小屋」といっても完全に強い雨風は凌げません。そこで幼虫たちは校舎内に避難となりました。

避難した幼虫たち

 蒸し暑く風もない環境なので,幼虫たちもなんとなく落ち着かないように見えてしまいます。 成虫たちは,うまく雨風から身を隠せるようなので,蝶小屋に残っています。早く台風が去ってほしいものです。

 10月7日。猛威を振るった台風18号が去りましたが,蝶小屋はかなり大きな被害を受けました。壁材がはがれたり老朽化した柱が折れたりしました。オオゴマダラの成虫はたくましいもので,台風後も元気で飛んでいます。しかし,蝶小屋の中に植えていた花は完全に潮がかぶってしまい,黒ずみ,花も枯れてしまったようです。

 そこで,急遽,ペンタスの花を購入して蝶小屋に入れました。

ペンタスとオオゴマダラ

 「ペンタス(Pentas)」は,花びらが5弁の星形をしていることにちなんでいるようです。「スター・クラスター(星の群れ)」という別名もあります。比較的安価で売られており,なぜかオオゴマダラはこの花が大好きなので大変助かっています。

 校舎に避難していて無事だった幼虫も蝶小屋に戻しました。食欲旺盛で,元気です。

 

 18号に続いて奄美地方に接近した台風19号。蝶小屋もいよいよ危ないと判断し,今回は成虫も幼虫も一緒に校舎に

避難しました。成虫をそのまま校舎には入れられないので,急遽ビニルハウスにネットを張って緊急用小型蝶小屋(?)を作りました。

ビニルハウス内のオオゴマダラ

 およそ3日間をこの中で過ごしたオオゴマダラたちでしたが,じっとしている時間も長くなんとなく元気がありませんでした。やはりある程度広い空間と,新鮮な空気の流れ,隠れたりとまったりする立木が必要なのだと感じました。台風が去って蝶小屋に戻したとき,木にとまって1分もたたないうちに交尾を始めたのを見て,確信することでした。

 さて,その蝶小屋ですが,やはり台風で壁板が飛ばされ,中の花や食草も潮にやられるなど,かなり傷み,散らかってしまいました。そこで,なかなか踏み切れなかった小屋の改修と中の整理に踏み切りました。

蝶小屋の整理

 以前とすると,なんだかがらんとした感じかも知れませんが,移殖したペンタスが根付き,ハイビスカスやランタナが再び茂ってくると,よりよい環境になると思います。

 以前より少し肌寒くなった蝶小屋で,早朝眠っているオオゴマダラ。(平成26年10月21日撮影)

眠るオオゴマダラ

 

 台風をしのいだオオゴマダラの成虫が卵を産み付け,気になって観察していましたが,今朝ふ化しました。

ふ化1

 ホウライカガミの葉の裏に産み付けられて,ふ化し,どうやら葉の裏の柔らかい部分を最初に食べたようですが・・・。 

ふ化2

 今後,詳しいことを子どもたちが調べたり,徐々に大きくなっいくところをみんなで観察したいものです。そして,食草ホウライカガミの準備も。

 朝夕が涼しく感じられるようになった10月25日。蝶小屋に入ってしばらくして,地面の近くの枯れ枝につかまって交尾している成虫を見つけました。気付かなければ,危うく踏んでしまうところでした。

交尾1

 オオゴマダラがどのようにして繁殖行動をするかというと,ヘアペンシルというブラシのような器官が雄の腹部の先にあり,そこからフェロモンを分泌し,メスを引きつけるのだそうです。雄は,雌を見つけるとヘアペンシルを広げてメスの周囲を飛び回り,交尾を誘うようです。一連の動きをまだ見たことがないので,ぜひ観察したいものです。次の写真は,反対側から撮ったものです。

交尾2

 何となく「じゃましないで」という感じでこちらを見ていたので,さっさと蝶小屋を出ることにしました。

 

 10月28日。幼虫がすっかり大きくなってきています。食欲も旺盛なので,ホウライカガミの葉っぱの枚数が気になる日々です。

幼虫の成長

 そして蛹たちはというと,これからどんどん羽化していくと思います。写真の蛹は明日の朝には羽化でしょうか。楽しみです。

もうすぐ羽化

 先日,繁殖行動について記事を書きました。雄にはヘアペンシルというブラシのような器官が腹部の先にあり,そこからフェロモンを分泌し,メスを引きつけます。今日は,まさに,そのヘアベンシルを腹部から出して雌の周囲を飛び回る様子が観察できました。花の蜜を吸っているのが雌,奥にいるのが雄です。ヘアベンシルをしっかり出して動かしているのが肉眼でははっきり分かったのですが,写真では,御覧のようにぶれてしまいました。(黄色っぽいのがヘアベンシルです。)

ヘアベンシル1

ヘアベンシル2

 雄は,5分くらい周りを飛び回ってがんばっていましたが,他の雄がじゃまに来たため,今度は雄同士で追いかけっこをしていました。

 10月30日。オオゴマダラ3頭が一斉に羽化しました。これまで夜中~未明の羽化がほとんどで,じっくり観察できなかったのですが,今日は子どもたちが登校した頃に羽化し,かなり詳細に観察できました。

 前日に黒い筋が入っていた蛹が,朝には羽の模様が透けて見えていました。すでに殻には亀裂が入っています。

羽化1

 小一時間ほどじっと待っていると,殻の下の張りつめていた部分がパカッと割れ,羽の一部が見えました。

羽化2

 ここからは,あっという間の動きです。まず,頭部がはっきり見えました。

羽化3

 重力で滑り落ちるように,体全体が下に移動しました。

羽化4

 するりと大きな腹部まで抜け出しました。肢はしっかり殻をつかんでいます。

羽化5

 姿が見えだしてからここまで1,2分ぐらいでしょうか。今度は,羽をじっくりと時間をかけて伸ばしていきます。

羽化6

 みんなで蝶小屋に集まり,羽化の様子や卵,幼虫,蛹の様子を観察です。考えてみると,今,全世代がこの蝶小屋で観察できることに感動することでした。

みんなで観察

観察の様子

 10分くらいすると,羽はきれいに伸びてきました。

羽化した成虫

 卵を見つけたHさん。先端が黒っぽいからもうすぐふ化すると言っていました。さすが夏休みに理科研究で取り組んだだけあって,すばらしい観察眼です。

卵の観察

 ホウライカガミの葉を気持ちよさそうに渡る幼虫。大きくなりましたが,まだまだこれからです。

幼虫

 この写真では雌雄の区別は難しいですが,おそらく親になる蝶も元気で飛んだり吸蜜したりしていました。

成虫

 こちらは今日2頭目の羽化。最後の3頭目も無事に羽化できました。

2頭目

ページがだいぶ長くなったので,次の記事からはオオゴマダラの飼育~その2~に移動します。

このページのトップに戻る

オオゴマダラの飼育~その2~に移動する

オオゴマダラの部屋へ戻る

 

お問い合わせ

佐仁小学校

894-0627 奄美市笠利町佐仁2735

電話番号:0997-63-8833

FAX番号:0997-63-8834

ページトップへ